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りんごの未来への小さな一歩

エリア : 弘前

テーマ : 農業 / フード / コミュニティ

プロジェクト概要

弘前といえばりんごの生産量日本一。地域の基幹産業となっていますが、多くのりんご農家は高齢化と承継の課題を抱えています。明治以降続くりんご生産を未来へと繋いで、持続的な発展ができる産業とするために、小さいながらアクションをおこしていきます。
ひとつはりんご農家への就農支援とマッチングの仕組みを構築すること。弘前のりんご栽培は高い剪定技術に支えられていますが、この技術習得には一定期間以上の訓練が必要です。また技術を持っても農地を探したり樹木を手に入れることは容易ではありません。そこで弘前でりんご農園とシードル工房を営む高橋哲史氏のもとで技術習得しながら、新たな就農者のためのマッチングの仕組みをつくり事業化を図ります。
また現在その多くが青果として流通するりんごですが、シードルをはじめとした加工品を開発し、いわゆる六次化することで新たなビジネスを創出していくことができるでしょう。そうした商品開発のためのシェアキッチン・加工場を整備し、誰もがりんごの可能性から新たなビジネスを立ち上げることができる環境をつくっていきます。
新規就農者を増やす仕組みを構築し、多様な商品開発を促進していくという両面で、それぞれの起業家が協力しながらりんご産業の未来を見据えて事業をつくっていきます。

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目指す未来

・新規就農希望者が増え、弘前のりんご産業が持続的に繁栄していく
・りんご畑の風景が維持されている
・りんごを使ったスモールビジネスがたくさん立ち上がっている
・りんご産業全体のネットワークが活性化される

求める人材

このプロジェクトでは2名の起業家を募集します。それぞれが独立した事業を展開するか、あるいは複数名で共同創業することも可能です。

1.就農支援ディレクター
・農業経験があるもしくは就農の意思がある
・りんご栽培の技術習得をやり遂げる気概がある
・産業全体を見渡し、長期的な視点で仕組みやネットワーク作りができる

2.シードル醸造家 / 商品開発ディレクター
・醸造に関する経験や知識または食品加工の経験や知識がある
・シードルや加工品に関するアイデアを持ち、自らも商品開発をしてビジネスを立ち上げられる
・利用者に対して客観的なアドバイスや情報提供などができる

パートナー

高橋哲史(株式会社百姓堂本舗 代表取締役)

1973年弘前市生まれ。専修学校日本映画学校卒業後、東京で映像の仕事に従事する。2003年に帰郷し、就農。2008年の雹害を受けりんごのある生活の豊かさをまもるべく2012年百姓堂本舗設立。2014年には弘前シードル工房kimoriをオープンさせる。

インタビュー

シードル作りとりんご産業の課題に取り組む<百姓堂本舗・高橋哲史氏>



ー弘前での関わりを教えてください


実家の家業を継ぎ、りんごを作りつつ、若手りんご農家らで結成した農業法人「百姓堂本舗」の代表を務めています。百姓堂本舗はシードル工房「kimori(キモリ)」を立ち上げ、自分たちのりんごを使ったお酒・シードルを醸造しています。
キモリを立ち上げた大きなきっかけは、2008年に発生した凍霜(とうそう)・雹といった自然災害でした。りんごは少しでも傷があれば市場で安価に取引されてしまい、流通させることも難しくなります。その年の被害で廃棄されるりんごを見て、生食以外で流通させる六次産業化の必要性を感じました。



ーこれまで関わられた中でどのような可能性を感じていますか?


海外需要の増加からりんごの取引価格は現在、全体的に上向いています。明るい話に見えるかもしれません。しかし、りんご産業は農家の高齢化や担い手不足が大きな課題で、生産量は緩やかに減少しています。今後、りんごの高騰による消費の低迷や人出不足によって、産業としては縮小することが十分に予想されています。
りんごは青森県の基幹産業です。その産業が縮小していくということは、この地域全体の低迷にもつながってしまいます。キモリを立ち上げたのは、これらの課題に取り組むことも目的にありました。りんご産業を発展させていくことは、青森全体の活性化に直結していくと考えています。



ーパートナーとして、本プロジェクトにどのような思いや狙いがありますか?


新しい就農者の支援が本プロジェクトの目的の一つですが、農家を増やすことだけが、りんご産業にある課題の解決ではありません。りんご産業の今後を多角的に考え、どのように繁栄させていくか。もちろんその中には、商品開発といった六次産業化という方法もあります。
りんご農家の仕事ぶりを魅力的に発信することも必要になるかもしれません。作業の効率化を図ることでりんごの生産量を増やすこともできますし、耕作放棄地などを活用しやすくする仕組みづくりが課題の解決につながるかもしれません。産業全体を俯瞰で考えて長期的に見据え、少しずつでも動いていくことが狙いにあります。



ー本プロジェクトのやりがいや苦労はどのあたりにあると思われますか?


りんご産業のことをくわしく知ってもらうため、まずは農家と一緒に畑で働き通年で行われる作業を覚えたり、市場での競りや地元民の生活も経験したりして、青森の暮らしを知ってもらいます。もしかすると生活面で苦労があるかもしれませんね。
青森でりんご産業が100年以上続き、世界に誇れる栽培技術と味、そして市場を形成することができたのは、変化し続けたからでした。従来どおりの方法や価値観に従っているだけでは、これからの時代に残していくことは難しく、外から来た人だからこそ、私たちが気づいていないことや発見を生かし、提案として発信してほしいです。りんご産業に新しい変化を生み出し、作っていくことにやりがいを見出せると思います。



ー本プロジェクトで伴走する起業家に期待することを教えてください


矛盾はしていますが、起業を目的としたり、ビジネスだけをやるといったりした意識では、事業としての限界があるのはないでしょうか。もちろん大切な意識ではありますが、他業種や自分のこれまでの経験をりんご産業に応用できるような人を期待したいです。
実は私はりんごに興味がありませんでした。親からも農家を継いでほしいと言われたことがありません。高校を卒業後は映画づくりに憧れて青森を離れ、東京でテレビの制作現場で働いた経験もあります。しかし、今では青森のことを考え、りんご産業の未来を考えるようなプロジェクトを立ち上げようとしています。青森やりんごというよりは、一緒に未来を考える人を期待したいです"