Social Business Open Laboratory

ソーシャルビジネスを形にする開かれたラボ

エリア : 南相馬

テーマ : コミュニティ / 教育 / その他

プロジェクト概要

いま、大企業が人材育成の場として南相馬を選んでいます。20年先の社会課題を先取りしているともいわれる現場において、社会と企業の双方に新しい価値を創り出す人材を育成すべく、新入社員から幹部社員まで多くの企業人が南相馬で研修を行っているのです。
一般社団法人あすびと福島は、4年間で約2500人もの企業人に独自の研修プログラムを提供し、評価を得てきました。その実績とネットワークを進化させ、社会課題を解決するソーシャルビジネスを共創するための開かれたラボを立ち上げます。人材育成の取り組みからさらに一歩踏み出し、実際のビジネスへとつながる仕組みを実装していきます。
課題先進地域・南相馬をフィールドに、CSV(Creating Shared Value)に取り組む企業と、新しい価値を創り出す公民連携プラットフォームづくりに動きだした南相馬市、そしてあすびと福島とが協働することで、今後あらゆる地域が直面する社会課題を解決へと導く、多くのプロトタイプ事業が創造されるでしょう。
今回募集する起業家は、あすびと福島のいわば社内起業家としてラボを立ち上げ、ソーシャルビジネスを共創するプロセスを体験しながら学び、自らもあらたなビジネスを立ち上げます。

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目指す未来

・南相馬が先取りした社会課題の解決に対してプロジェクトベースで取り組む複数の企業がラボに参加し、新しい価値を共創する公民の連携ネットワークが生まれている
・ラボから多数のソーシャルビジネスが生まれ、同様の社会課題に直面する他地域の解決モデルとなっていく
・地域の課題解決を通して、地方と都市の新しい共創関係が築かれていく
・ラボの各プロジェクトに学生が参加し成長の場としていくことで、新しい未来を創造する若手アントレプレナーが輩出されていく

求める人材

・コミュニケーション能力が高く、自治体や大企業とのビジネスの経験がある
・地域の課題や資源、可能性からプロジェクトの種を見つけ、あすびと福島と連携しながら、自ら積極的に南相馬市や企業の協力を得てビジネスを創ることができる

パートナー

半谷栄寿(一般社団法人あすびと福島 代表理事)

福島県南相馬市小高区出身。1978年東京電力入社。環境NPOオフィス町内会、Jヴィレッジなど新規事業を立ち上げる。2010年執行役員を退任。2011年原子力事故への責任と地元復興への想いから、体験学習拠点「南相馬ソーラー・アグリパーク」を2013年にオープン。2014年高校生の社会起業塾「あすびと塾」を福島市で開講し「高校生が伝えるふくしま食べる通信」を2015年に創刊。2016年福島県出身の大学生を対象に社会起業塾を東京で開講。農業経営人材の育成を目的に、南相馬トマト菜園を創業。一貫して、長期を要する福島復興を担う人材の育成に取り組む。

インタビュー

「憧れの連鎖」が生まれる福島<一般社団法人あすびと福島・半谷栄寿>



ー南相馬でのこれまでの関わり、取り組みを教えて下さい


福島の復興と価値創生を担う「アントレプレナー(社会起業家)」の育成が、『あすびと福島』と私の「志」です。その一環として、地元の小・中学生に太陽光発電所内での仕事体験をしてもらう「ソーラー・アグリパーク」をオープンし、5年が経ちました。南相馬の3,500名の小・中学生のうち、3,000名以上が学校の総合学習としてパークでの仕事を体験しました。この年代では、「自ら考え行動する力」の源となる「発表に躊躇しない力」を身につけることが大切だと考えています。そのために「ソーラー・アグリパーク」では、仕事体験を通して感じたことや改善点を発表し合うことで、小・中学生が発表の場数を踏めるプログラムにしています。
このように体験学習した小・中学生が今は高校生や大学生になっています。高校生・大学生の中には、「地元のために何かしたい」という想いを抱く学生が多くいます。これは、まさに社会課題を解決するモチベーションです。そこで、一過性で終わらないソーシャルビジネスを生み出すための社会起業塾として、「高校生あすびと塾」と「大学生あすびと塾」を継続しています。学生の「志」を目的とし、実際にビジネスの仕組みを創り実現することを通して、近い将来にアントレプレナーを輩出しようとしているのです。
「あすびと福島」自身の経済的持続性を確立する取り組みとしては、主に東京などの企業の社員や国家公務員を対象とする社会人研修を行っています。この4年間で1泊2日の研修に2,500名もの社会人が有料で参加しました。価値のある社会人研修を提供することで、その対価を福島の若い人材育成のための経済的な基盤、浄財としています。



ー今回のプロジェクト「ソーシャルビジネスオープンラボ」の可能性はどのような所にあると思われますか?


2015年に「ふくしま食べる通信」という情報誌を高校生が立ち上げ、4つの高校から5つの学年にまたがって高校生が運営する社会的な事業になっています。この活動に対して、「高校生あすびと塾」が高校生のためのオープンラボの役割を果たしているのです。
また一方で、社会人研修の参加者の中から、個人ベースで高校生や大学生の起業に伴走したいという方も出てきました。これまでの学生たちとの社会的事業の立ち上げと官民の社会人研修の実績が重なり、「志」を同じくした学生と社会人が今、南相馬の小高区で新たな事業を起こそうとしています。
このように南相馬には、「志」を持つ人材が企業や行政とともに社会課題を解決する事業を起こし育てる土壌ができていると強く実感しています。この真実のストーリーから「ソーシャルビジネスオープンラボ」の構想が生まれました。
学生と社会人個人の次は、企業と行政が中心となり、ソーシャルビジネスを生み出すオープンな場をつくる。そして、本当に社会的事業を共創することを通して、「社会課題先進地域”福島”」を「社会課題解決先進地域”福島”」へと変える大きなインパクトを持つプロジェクトだと確信しています。



ー本プロジェクトで伴走するラボメンバー(起業家)について期待することは何ですか?


このプロジェクトは、今までの熱量と実績の連続性の中で湧き上がってきたものです。これまで『あすびと福島』が培ってきたものを発展させるとともに、熱量を3年間持ち続け、私と一緒に、いわば「社内起業家」として挑戦してもらいたいのです。そして、Next Commons Lab南相馬のプロジェクトとして企業と行政が新しい社会価値を生み出す場を自ら創出することによって、ラボメンバー自身にとってこそ、大きな成長と発展のチャンスになると信じます。



ー最後に、半谷さんが描く未来はどのようなものですか?


若い世代からアントレプレナーが生まれ、自分もそうなろうと後輩たちが続く「憧れの連鎖」が生まれる福島が、私の描く未来であり、地方創生の姿です。ソーシャルビジネスオープンラボは、人材育成にも優れた場になります。
そして、ここから生まれたビジネスをプロトタイプとして、社会課題解決の突破口を南相馬から全国に切り開いていきたいです。