Local Art Project
地域発アートコミュニティ拠点(募集終了)
エリア : 南相馬
テーマ : コミュニティ / アート / その他
エリア : 南相馬
テーマ : コミュニティ / アート / その他
ー南相馬でのこれまでの関わり・取り組みを教えて下さい。
「ダム銀座」と呼ばれる福島県南会津郡只見町で中高時代を過ごした母から、ダムの底に沈んだ街の話を繰り返し聞かされていました。そのダムも、東京電力福島第一原発と同じく、関東に電力を供給するために作られたものです。
2011年3月11日に東日本大震災と原発事故が起こり、4月22日の0時をもって原発から半径20km圏内を「警戒区域」とする発表を見た時、その話を思い出したんですね。「警戒区域」として閉ざされる前なら街を見ることができると思い、4月21日に富岡や浪江や小高を見て回りました。それから何度か南相馬に通っているうちに、臨時災害放送局のチーフディレクターである今野聡さんとお会いする機会がありました。
今野さんと話し合い、地元の方の話を聞く「ふたりとひとり」という番組を2012年3月から放送開始し、約600人もの方にご出演いただきました。実際に生活の中で感じる苦しみを聞く中で、自分も暮らしてみないとわからないことがあるのではないかと思うようになり、南相馬へ移住することに決めたのです。
ーこれまで関わられた中で南相馬にどのような可能性を感じていらっしゃいますか?
文化的な厚みがあると感じています。フルハウス開店から一か月が経ちましたが、売れた本のランキングも、いわゆる売れ筋とは違うものになっています。高校生がスティーヴン・ミルハウザーの本を買ってくれたり、プラトン『メノン』が何冊も売れたり。本に限らず演劇など、どんな表現でも受け入れていただける土壌だと思いますね。
ーパートナーとして、本プロジェクトにどの様な思いや狙いがありますか?
小高の交流人口を増やしたいです。JR常磐線の本数の少なさも、見方を変えれば、フルハウスや劇場に訪れてくださった方々が、小高神社や大悲山などを見て回るきっかけになるかもしれません。
ー本プロジェクトのやりがいや苦労はどのあたりにあると思われますか?
劇団制作の現場は厳しい世界です。師弟関係のようにかなりコミットしていただく必要がありますが、経験がなくても芸術文化、とくに演劇や言葉に対して情熱がある方なら、やりがいのある仕事だと思います。
ー本プロジェクトを通して、南相馬で描く未来はどのようなものですか?
いままでも確固たる未来像に向かってきたというよりも、色んな人の縁をたどってここまで来たように感じます。その時々でいただいた話や縁を大事にして、ベストを尽くすことが、結果的にこの土地の為になる、ということが理想ではないでしょうか。
ー本プロジェクトで伴走する起業家に期待する事を教えて下さい。
第一に、情熱があること、です。加えて、劇団制作の場面では、様々な非常事態にも粘り強く対応していく忍耐力や対応力も求められます。義務感で頑張るというよりも、地域の文化的な拠点を継続・発展させていくことを面白がってやれる人であれば、ともに乗り越えていけるのではないかと思います。
募集は終了しました。