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りんごの未来への小さな一歩(募集終了)
エリア : 弘前
テーマ : フード / 農業 / コミュニティ
エリア : 弘前
テーマ : フード / 農業 / コミュニティ
ー弘前での関わりを教えてください
実家の家業を継ぎ、りんごを作りつつ、若手りんご農家らで結成した農業法人「百姓堂本舗」の代表を務めています。百姓堂本舗はシードル工房「kimori(キモリ)」を立ち上げ、自分たちのりんごを使ったお酒・シードルを醸造しています。
キモリを立ち上げた大きなきっかけは、2008年に発生した凍霜(とうそう)・雹といった自然災害でした。りんごは少しでも傷があれば市場で安価に取引されてしまい、流通させることも難しくなります。その年の被害で廃棄されるりんごを見て、生食以外で流通させる六次産業化の必要性を感じました。
ーこれまで関わられた中でどのような可能性を感じていますか?
海外需要の増加からりんごの取引価格は現在、全体的に上向いています。明るい話に見えるかもしれません。しかし、りんご産業は農家の高齢化や担い手不足が大きな課題で、生産量は緩やかに減少しています。今後、りんごの高騰による消費の低迷や人出不足によって、産業としては縮小することが十分に予想されています。
りんごは青森県の基幹産業です。その産業が縮小していくということは、この地域全体の低迷にもつながってしまいます。キモリを立ち上げたのは、これらの課題に取り組むことも目的にありました。りんご産業を発展させていくことは、青森全体の活性化に直結していくと考えています。
ーパートナーとして、本プロジェクトにどのような思いや狙いがありますか?
新しい就農者の支援が本プロジェクトの目的の一つですが、農家を増やすことだけが、りんご産業にある課題の解決ではありません。りんご産業の今後を多角的に考え、どのように繁栄させていくか。もちろんその中には、商品開発といった六次産業化という方法もあります。
りんご農家の仕事ぶりを魅力的に発信することも必要になるかもしれません。作業の効率化を図ることでりんごの生産量を増やすこともできますし、耕作放棄地などを活用しやすくする仕組みづくりが課題の解決につながるかもしれません。産業全体を俯瞰で考えて長期的に見据え、少しずつでも動いていくことが狙いにあります。
ー本プロジェクトのやりがいや苦労はどのあたりにあると思われますか?
りんご産業のことをくわしく知ってもらうため、まずは農家と一緒に畑で働き通年で行われる作業を覚えたり、市場での競りや地元民の生活も経験したりして、青森の暮らしを知ってもらいます。もしかすると生活面で苦労があるかもしれませんね。
青森でりんご産業が100年以上続き、世界に誇れる栽培技術と味、そして市場を形成することができたのは、変化し続けたからでした。従来どおりの方法や価値観に従っているだけでは、これからの時代に残していくことは難しく、外から来た人だからこそ、私たちが気づいていないことや発見を生かし、提案として発信してほしいです。りんご産業に新しい変化を生み出し、作っていくことにやりがいを見出せると思います。
ー本プロジェクトで伴走する起業家に期待することを教えてください
矛盾はしていますが、起業を目的としたり、ビジネスだけをやるといったりした意識では、事業としての限界があるのはないでしょうか。もちろん大切な意識ではありますが、他業種や自分のこれまでの経験をりんご産業に応用できるような人を期待したいです。
実は私はりんごに興味がありませんでした。親からも農家を継いでほしいと言われたことがありません。高校を卒業後は映画づくりに憧れて青森を離れ、東京でテレビの制作現場で働いた経験もあります。しかし、今では青森のことを考え、りんご産業の未来を考えるようなプロジェクトを立ち上げようとしています。青森やりんごというよりは、一緒に未来を考える人を期待したいです"
募集は終了しました。